ご家庭に設置された浄化槽が、椹野川の水質をきれいに保ちます。

一般家庭で一人が1日に使う水の量は入浴、トイレ、台所、洗濯など含め、約200リットルになります。それらの水を使用した際に発生する汚れ(BOD)の量は約43グラムですが、浄化槽や下水道を通してその汚れは10分の1にまで浄化され、川に戻されています。
(数値は平成15年版環境白書によるものです)


※浄化槽は小型ながらも、公共下水道と同等の水質浄化機能を持っています。
※浄化槽は、処理水を上流域の中小河川に分散放流するため、下水道による処理システムよりも河川の維持水量を適正に保つことができます。結果として、河川自体が持つ自浄作用の維持や、身近な水辺環境の創出など、河川の流域管理に対しプラスにはたらきます。



浄化槽は槽内の微生物の力によって水をきれいにしています。

浄化槽内には、酸素のないところで活発に働く嫌気性微生物と酸素の十分あるところで活発に働く好気性微生物の2種類の微生物が生きています。それぞれの微生物が得意とする汚水中の有機物を分解することで、水がきれいになります。
この2種類の微生物が、活発に活動できる水質状態に浄化槽が管理されていないと、汚水がきちんと浄化されません。




槽内の浄化機能を正常に維持するために、
専門家による定期的なメンテナンスが必要です。

1.

機能の診断…簡易水質検査や汚泥の状況、異物混入の有無等の確認を行います。

2.

運転状況の確認…単位装置、付属機器類の調整を行います。

3.

消毒薬剤の補充…処理水内の大腸菌を滅菌する消毒薬を補充します。

4.

ブロワ・モーターの点検…エレメントの掃除や異常音・熱・振動等を確認し、必要に応じて調整を行います。


1.

汚水の引き抜き…浄化槽内に生じた汚泥、スカム等の引出しを行います。

2.

浄化槽内の掃除…引出し後、槽内単位装置及び付属機器類等の洗浄を行います。

3.

汚水の搬出…引出した汚泥、スカム等を処理場へ運搬します。

4.

ご自宅への処理水の搬入(浄化槽内への水張り)…清掃作業後、機能を正常に発揮させるために、引出した同等量の水を入れます。




生活水をお使いになる際の、日々の心づかいも大切です。


いくら専門の業者に維持管理を頼んでも、使う側の心づかいが欠けてしまうと浄化槽は十分な機能を発揮できません。次に挙げるような、ご家庭でできる日々の管理や使い方が大切です。

1.

洗濯機のすすぎの水を流し放しにするなど、水の無駄使いは止めましょう。水の使用量が多すぎると、処理水の水質悪化や清掃回数が増える恐れがあります。

2.

トイレではトイレットペーパー以外流さないようにしましょう。その他の紙や紙おむつ、たばこの吸い殻などを絶対に流さないでください。

3.

台所からの野菜くずや天ぷら油などを、できるだけ流さないようにしましょう。

4.

浄化槽の電源は切らないように、ブロワの空気取り入れ口はふさがないように注意しましょう。浄化槽内の微生物が活動できなくなります。

5.

浄化槽の上にものを置かないでください。マンホールのフタは必ず閉めておきましょう。軽量フタには鍵をかけましょう。